3日目B:斜面にいる母子

20分足らずで次の母子に

ガシガシ森を進んでいきます。
わりとおだやかな登山道を進んでいきます。

 

時々かわいい何かの鳴き声がするほかは、生き物の気配はありません。
メモで”クルークル”=PICOと書いてあって、これはPICOという鳥の鳴き声だったと思います。
甲高いようなクルークル!みたいなかわいい声がするんですよね。

 

そして20分ほどして、次の出会いがありました。

 

 

最初の一枚。
ちらっと茶色いものが映っています。
母子は斜面にいて、トレッキングロードからはほとんど見えなくて、誘導されて斜面を降りて姿をみました。

 

 

コドモのよこがお。
斜面で座りながら撮っていました。

 

 

お顔がみえました。

 

 

何か食べています。

 

 

きれいな目。

 

 

 

じぃと何かを見る様子。

 

 

 

近くにお母さんもいます。
コドモに名前はなく年齢は3歳〜3.5歳だそうです。

母の名はBORJOHN

 

コドモのお母さん。
この個体は名前がついていました。
Borjohg(ボーション)で36歳から38歳だそうです。

 

 

4人くらい先着の団体がいました。
BABAがインドネシア語で話をしていて、リーダーらしき女性が”リサーチャーだ”とのこと。
子供もいて家族なのか、ガイド中なのかなという感じでした。

 

実はコドモが食べている果実は、この女性が与えたものです。
離れた幹においたものをコドモが取りにいていました。

 

初日早々からフィーディング(禁止されていると理解していた)をみて、うむと思いました。

ブキットラワンの半野生オランウータン

トレッキングを初めて数時間で2組の母子に会うことができました。
かなりの確率で、野生オランウータンってこんな簡単にあえるの?と思われるかもしれません。

 

ちょっと旅行記のまだまだ最初で、早いかもしれませんがこのことについて書きます。

 

これはブキットラワンのオランウータンの特殊事情によるところがあります。
(正確には”ブキットラワン付近のグヌンルーセル国立公園のオランウータン”というべきですが、わかりやすくブキットラワンのオランウータンと書きます)

 

そのあたりの事情と私が見てきた事情について書きます。
旅行記とちょっと離れるので、ご興味のあるかただけ。

 

以前ブキットラワンにはWWFなどが運営するリハビリセンターがあったそうです。
ペットにされていた個体や傷ついた個体を保護する施設です。
そのリハビリセンターは今はもうなく、センターにいた個体は野生復帰教育後、近くの熱帯雨林へ再導入されました。
その再導入された個体にたくさん会うことができるのです。
ホテルのエコツアーガイドにも、会えるのは”SEMI-WILD(半野生)”と書かれています。

 

そして数年前まで、森の中にフィーディング場があり日に何度かフィーディング(餌やり)タイムがあったそうです。
それをめあてに観光客もきていました。
今は廃止されています。

 

そんなわけで、人になれた半野生オランウータンは、ガイドや観光客を怖がりません。
姿を見れない時はガイドが特殊な(ボホウボホウというような)声を出すと寄ってくることもあります。
(BABAも呼ぶと言っていました)
寄ってくる理由の一つ(全部?)はフィーディングです。

 

わずか3日のトレッキングですべてがわかったわけではもちろんないのですが、
ガイドによるフィーディングはかなり行われていると思いましたし、実際何度も見ました。

 

私のガイドによると、3個体へのフィーディングは認められたものなのだそうです。
その3個体はリハビリ出身のJackey,Mina,Sumaとのことです。
彼らはヒトからのフィーディングに慣れていて(フィーディング場もあったし)、Minaなどは渡さないと攻撃的になることがあるとのこと。
フィーディング場が廃止されての過渡期ということもあるようでした。

 

第二世代、第三世代と世代が以降するうちに人とオランウータンの距離を自然に離していくというのも必要なことなのでしょう。
いきなりなにもかもやめることはできないのは理解できます。

 

過渡期ということで、いろいろ危うさは感じました。
まず、認められているという3個体以外にもフィーディングはあること。
(Borjohgへのフィーディングは実際みました。またたしかにほかの個体を見ているときにBABAがエサやるか?と聞いてきたようなーー)
3個体の子供がヒトからのフィーディングを自然と学習すること
(ただ独立したWATIというコドモが寄ってきたとき、ガイドはなにも与えないようにしていました。そこは守られているようでした)
観光客がそれを望んでいること。
(実際に目にはしませんでしたが、インスタグラムには観光客が手渡しでエサを与え(たぶんSUMAなど慣れた個体へ)ワンダフル!とコメントしているのをよくみるので)

 

ヒトと半野生オランウータンとの距離は、かなり近いでした。
近いことがそのまま悪いというわけではなく、そのことでヒトがスマトラオランウータンに関心をもち保護につながるという流れだけならいいのでしょうが、
珍しい体験をしたというエンターティメントな側面だけが強化されていくと、オランウータンへの影響が心配です。

 

訪問前、とても観光地化されすぎていて訪問する価値がないのではといういう懸念も実際ありました。
旅行記の途中ではありますが、私の感想からいうと”訪問する価値はとてもある”だったので、いけてとてもよかったです。
熱帯雨林や山はそのままリアルな彼らの生息地で、それを感じられるだけで訪問する価値はあります。
ヒトとの距離が近いといはいえ、そういった問題を呑み込んであまりある圧倒的な大自然があり、多くの事を肌で感じる事ができます。

 

なので、人との距離が近いと書くと、なーんだ観光地化されてるんだなーという印象が強くなるかもしれませんが、
1000ある魅力のうちの3くらいの話なんだと思ってもらえるといいかと思います。
書ききれない魅力がある場所です。

お昼にしましょう


Borjohn母子と別れ(別団体の方は追いかけていかれた)、山を進みます。
斜面を下るときれいな川。

 

 

もうすぐお昼にするから、ここで手を洗えーと言われました。

 

 

 

きれいな水!透明できれいな水でした。冷たくてきもちよかった。
飲めそうでした(飲んでないけど)

 

今気が付いたけど、岩にめっちゃ穴あいているよね。
これ熱帯雨林の雨が空けたのかな。

 

 

ほったて小屋でお昼。
ほかに人はおらず、BABAと二人でランチタイム。BABAはリュックからランチをとりだして渡してくれました。トマトやキュウリはその場でカットしてつけてくれます。ナシゴレンランチ。


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